「週休3日制」を導入した企業の売上が15%上がった。しかし社長は後悔している

2025年、従業員200名のIT企業が週休3日制を全社導入した。メディアは「先進的な働き方改革」と称賛し、採用応募数は3倍に。売上も15%増加。しかし、社長のN氏は「もう一度やり直せるなら導入しない」と語る。

見えない「負の連鎖」

週4日勤務で生産性が上がったのは事実だ。しかし、それは「業務の選別」によるものだった。会議は半減し、報告書は簡略化され、社内イベントは廃止された。一見、無駄が削ぎ落とされた。しかし、N氏が気づいたのは、その「無駄」の中にこそ組織の文化やイノベーションの種があったということだ。

中間管理職の「燃え尽き」

一般社員の満足度は急上昇した。しかし、中間管理職の離職率は導入前の3倍に。「部下は週4日だが、マネジメント業務は減らない。結果、管理職が金曜日も働くことで帳尻を合わせていた」。週休3日の恩恵は均等に分配されず、しわ寄せは管理職に集中した。

クライアントとの「温度差」

金曜日にクライアントから緊急連絡が入る。しかし担当者は休み。代理対応の品質は落ち、クライアント満足度は低下。「BtoB企業が週休3日をやるなら、クライアントも週休3日でないと成立しない。当たり前のことに気づくのが遅すぎた」。

売上15%増の「カラクリ」

売上増の主因は、週休3日制の話題性による新規問い合わせの増加。つまり、マーケティング効果であって、生産性向上の結果ではない。「この効果は1年で消える。そのとき、残るのは週4日分の労働力で5日分の成果を出さなければならないプレッシャーだけだ」。N氏の予測は、的中しつつある。